リスクやセキュリティが不安で、手が止まっている。ここが決まっていないせいで、使えていない方が多いです。
AIを使いたいけれど、リスクやセキュリティが不安。そういう理由で止まっている方は多いです。
何が危ないのかがはっきりしないと、判断のしようがありません。私も最初は、どこまで渡していいのか分からず、当たり障りのないことしか聞けませんでした。それだと、当たり障りのない答えしか返ってきません。
任せてはいけない仕事
任せてはいけない仕事は、そんなに多くありません。はっきり線を引いているのは、ひとつです。
ログインしたままのブラウザを、そのまま操作させることです。
今のAIには、画面を見ながら操作してくれるものもあります。便利ではあるのですが、予約システムや決済の画面にログインした状態で任せると、こちらが意図していない操作まで進んでしまう場合があります。
押す前に確認が入る形にするか、見るだけにしておく。ここは慎重でいいと思っています。
送ってはいけない内容
次に、送る中身の話です。私が線を引いているのは、この3つです。
1つ目は、パスワード。2つ目は、APIキー。サービス同士をつなぐための鍵のようなもので、持っている人はその裏側を自由に触れてしまいます。3つ目は、漏れたら困る個人情報です。
個人情報のほうは、判断の基準がはっきりしています。個人が特定できるかどうか。お客様の名前、連絡先、カルテの中身、予約表そのもの。これは、そのまま送りません。名前を消す、番号に置き換える、といった形にしてから渡します。
逆に、個人が特定できない形にしてあれば、扱える範囲はかなり広がります。来店の間隔や単価の並びは、名前がなくても意味を持ちます。数字として送れば、十分に使えます。
パスワードとAPIキーのほうは、AIが危ないという話ではありません。どこかに貼り付けて残すこと自体を避けたほうがいい、という話です。必要なら、専用の保管の仕組みを使います。
もうひとつ、送らないほうがいいものがあります。出どころの分からないファイルです。届いたファイルや、拾ってきた資料をそのまま読ませると、その中に書かれている指示にAIが反応してしまうことがあります。中身をひらいて確かめてから渡す。それだけで防げます。
設定でしか防げないこと
使い方に気をつけていても、設定を見ていないと起きることがあります。
入れたものが学習に使われる設定です。仕事で使うなら、ここは切っておきます。多くの道具は設定画面から変えられます。最初の1回だけの作業です。
この設定を切っておくと、送る中身の線引きも少し楽になります。それでも、パスワードとAPIキーは別扱いのままにしておいたほうがいいです。
怖いから使わない、がいちばん損をする
この話をすると、やっぱり危ないんですね、と受け取られることがあります。そうではありません。
知らずに使うのが危ないだけで、知っていれば普通に使えます。車と同じで、乗り方を知らないまま高速に入るのが危ないのであって、乗ること自体が危ないわけではありません。
使える人と使わない人の差は、この先も開いていきます。怖さを理由に止まっているのは、いちばん損をする位置だと思っています。
今日、決めておくこと
送らないものを3つ決める。パスワード、APIキー、漏れたら困る個人情報。あとは、学習に使われる設定を切る。出どころの分からないファイルはそのまま読ませない。まずはこれだけで十分です。
そのうえで、いま手作業でやっている集計や整理を1つ選んで、渡してみてください。個人が特定できない形にしてしまえば、ほとんどの作業は渡せます。
よくある質問を3つ
無料のものと有料のもので、扱いは変わりますか? 変わります。仕事で使うなら、設定を細かく選べるものを使ったほうが安全です。月に数千円のところから先は、できることも守り方も変わります。
写真は入れていいですか? お客様のお顔やまつげの写真は、そのままでは入れません。ご本人の許可があるかどうかが先で、許可があっても、必要のない情報まで一緒に渡さないようにします。
過去のやりとりを全部渡してもいいですか? 個人が特定できる部分を外してあれば、渡せます。むしろ、自分の判断が溜まっているものほど、渡す価値があります。
送れないものより、送れるものを数えてみる
この話は、どうしても送ってはいけないものの話になりがちです。ただ、実際に数えてみると、入れられるもののほうがずっと多いです。
集計、要約、整理、下書き、比較。サロンの仕事のうち、個人が特定できない形にできるものは、思っているより広い範囲にあります。
線を1本引くのは、使わないためではなく、安心して使うためです。ここが決まると、任せられる仕事が一気に増えます。
自分ひとりで使う前提でいい
ここまでの線引きは、まず経営者が自分で使うためのものです。全員に配って回す話ではありません。
自分の手元で動かして、出来上がったものをスタッフに渡す。この形なら、線を気にするのは自分ひとりで済みますし、費用も混乱も増えません。
渡すのは道具ではなく、終わった状態のほうです。マニュアルでも、面談のまとめでも、数字でも、受け取る側は結果だけ見られれば足ります。
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