アイリストが独立前から今のサロンで準備すべき事(売上・経費)
あなたは、今のサロンの
- 売上
- 広告費
- 人件費
- それ以外でかかっているお金
を知っていますか?
これを知らないと、独立する時や独立してから苦労します。
というのも、あなたがサロンを出すときに、どこにどれだけのお金がかかるのかを知っておくと、客単価を決めるときやサロンの全体を設計するときに役立つからです。
サロン運営に関係する一般的なお金は以下のものがあります。
- 売上
- 家賃
- 広告費
- HPB手数料
- 光熱費
- 材料費
- 決済手数料
- 給料、社会保険
これを知らないまま独立をすると、利益が残らなくなってしまったりするので学ぶ必要がありますが、独立してから学ぶのでは遅いので、今のサロンのケースで考えていきます。
実施にサロンで働いていると、家賃がどれくらいかかってるか?とかホットペッパーでどれくらいかかっているか?を聞いたりできて把握しやすいので、雇われているうちにサロンの運営にかかるお金を把握しておきます。
あなたが赤字にならないでサロンを経営していくには、当たり前ですが、
かかったお金よりも売上が多ければいいだけです。
計算式で言うとこれです。
売上-かかったお金=利益
細かく分類するとこうなります。
売上–かかったお金(経費)=利益
※経費はサロン運営にかかるお金の事です
- 売上
- 家賃
- 広告費
- HPB手数料
- 光熱費
- 材料費
- 決済手数料
- 給料、社会保険
この8個の数字について、
- 自分のサロンはどうなのか?
- どれくらいが相場なのか?
を知ることから始めていきます。
上記8の内容を大きく分けるとこの2つになりますので、
まずはこの3つの大項目に分けて解説していきます!
①売上
②かかったお金(経費)
①売上
売上は単純です。
サロン全体の売上がわかればいいです。
と言っても売上を細かく見ることもできます。
- スタッフ1人あたりの売上
- メニュー別の売上
また、売上と言ってもオープン後どれくらいの期間が経過しているのか?によっても意味が違います。
- オープン半年でスタッフ1人で70万なのか?
- オープン2年でスタッフ1人で75万なのか?
これであれば、1の方がうまくいっている可能性が高そうと僕は考えます。
このように同じような売上でも、オープンからどれくらい期間が経過しているか?
でもうまくいっているのかいっていないのかの判断は変わります。
今のサロンの売上を分析する時はそれらも踏まえてどうなのか?を考えてみてください。
色々な特徴が見えてくると思います。
②かかったお金(経費)
次はサロンの運営にかかるお金を把握しましょう。
売上を作るためにはいろいろなお金がかかります。
- 家賃
- 広告費
- HPB手数料
- 光熱費
- 材料費
- 決済手数料
- 給料、社会保険
サロン運営にかかるお金を知らないと、思ったよりお金がかかって利益がそんなに残らない、、となる可能性もあるので、どれくらいかかるのか?ざっくりでいいので把握しておきましょう。
家賃
家賃は自分で調べてもいいですし、オーナーに聞いてもいいと思います。
物件名や部屋番号をネットで調べると、家賃がわかることもあります。
1つ注意なのは店舗利用している物件には消費税がかかるので、ネットで調べて家賃10万と出てきても実際に払うのは11万だと思ってください。
家賃が高いと消費税分も数万多くなるので、家賃も消費税込みで何円か?を把握しておきましょう。
この講義では今のサロンを通してサロン運営にかかるお金を知るのが目的ですが、実際にどれくらいの家賃にするべきか?など具体的な話は別の講義でしっかり解説していきます。
広告費
ほとんどのサロンはホットペッパーだと思いますので、ホットペッパーの金額を把握しておきましょう。
また、今のサロンのエリアでプラン別の新規数平均とかもホットペッパーの業者が教えてくれるので、それと比較して多く来てるのか?少ないのか?も考えます。
新規数は客単価によっても変わるので、どれくらいの広告費をかけると客単価何円くらいの人が何人来るのか?を知っておきましょう。
これがわからないと、あなたが独立してサロンを出すときに新規数や金額の目安がわからないですし、オープン後のシミュレーションもできないので困ります。
HPB手数料
手数料関係は意外と見落としがちですが、お金がかかります。
ホットペッパービューティー経由で予約した場合、施術代金分の2%が手数料として必要になります。
売上70万だと14,000円の計算です。
HPBを利用する場合は必要になるので、今のサロンがどれくらいか知っておきましょう。
決済手数料
クレジット決済や電子マネーでも手数料はかかります。
ざっくり平均で3.5%程度かかるので、クレジット決済の売上が50万円だった場合、17,500円程度かかります。
先ほどのホットペッパーの手数料を合わせると、売上70万で3万円程度は手数料がかかる可能性があり、負担としては大きいのでそれを踏まえて必要な売上金額を考えるようにする必要がありますので、今のサロンがどれくらいか把握しておきましょう。
光熱費
光熱費はガスを契約するかしないかやサロンの広さ、季節にもよりますが、ざっくり2〜3万程度かかります。
wifiの契約もすると5,000円程度かかるので、多く見積もって光熱費とwifiで35,000円程度かかります。
材料費
材料費も材料を何を使うかによりますが、お客さん1人あたり数百円かかります。
これも毎月の材料費を計算して、お客さんの数で割ると1人あたりの目安が出ます。
月の材料費が5万で100人施術した場合、
50,000円÷100人=500円
となりますので、今使用している材料の場合、1人あたりどれくらい材料費がかかるかを知っておきましょう。
また、長期的にスタッフを増やす場合は、スタッフの売上やリピート率はあなたより低くなるので、高い材料費で統一すると負担に感じる時が出てきますので、スタッフを増やす場合はそれも踏まえて材料費をどうするか考えるといいです。
給料
これはスタッフの人件費の事です。
これは業務委託か正社員かによって変わります。
業務委託はシンプルなので、税抜売上70万の50%であれば35万×消費税です。
業務委託に支払う場合は消費税も加えて支払う必要があるので、
税抜売上70万の50%であれば35万×消費税で385,000円が支払額です。
しかしこの考え方だと少し複雑でスタッフが理解しにくいので、
一般的には税込売上の50%が消費税を含めた総支給額と表記したり考える事が多いです。
税込売上77万なら50%の385,000円が消費税を含めた総支給額というようなイメージです。
正社員の場合は税抜の売上に対して、どれくらいが支払額か考えます。
税抜70万円の40%を給料にするなら28万円という感じです。
正社員の場合は税込売上で計算をしてしまうと、消費税が10%から20%に上がっただけで売上が勝手に増えます。
- 税抜70万と消費税10%なら税込77万
- 税抜70万と消費税20%なら税込84万
このようにスタッフの売上は税抜70万から増えていないはずなのに消費税が増えただけで税込の売上は増えるので、正社員の場合は税抜の売上が何円なら歩合はどれくらいか?を考えます。
社会保険
社会保険料は正社員や法人の代表は例外を除き基本的には加入します。
もちろんパートさんなども条件を満たせば加入対象になります。
社会保険の金額に関しては、このようなサイトで簡単に目安を計算できます。
試しに東京都の29歳の人に30万円の給料を払う場合で計算しますと、
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
でした。
そして、注意するべき内容は、下の赤字の部分です。
そもそも社会保険は雇用主とスタッフでそれぞれ負担するという決まりになっているので、スタッフが払う金額とほぼ同じ金額を会社も支払っています。
『スタッフの給料から天引き』
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
『会社の負担』
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
つまり、あなたが誰かを正社員で雇って給料を30万円払う場合、
給料:300,000円
会社負担の健康保険料:14,715円
会社負担の厚生年金:27,450円
合計:342,165円をスタッフに支払うことになります。
スタッフの給料は30万と思っていても、実際は34万かかってしまうので、思ったより利益が残らない、、となる可能性があるのでスタッフを正社員で雇う場合は社会保険の金額も踏まえて給料の金額を決める必要があります。
目安としては正社員なら税抜売上の40~45%に給料、社会保険料の負担の合計が収まるようにするのがアイラッシュ業界の一般的な印象です。
実際は雇用保険などもあるので、これに少しだけ追加で払いますが、金額が少ないのでここでは割愛しています。
私はスタッフを雇わないから大丈夫!と思っている人に関しても注意点があります。
あなたが独立後に個人事業主でやっていくのであればいいのですが、法人を作ってサロンを運営する場合は注意です。
法人を作る場合、基本的にはあなたは社会保険に加入する義務があるので加入します。
そして、法人から毎月役員報酬という給料みたいなものをもらうのですが、この時に社会保険をあなたと会社で半分ずつ負担することになります。
あなたが誰かに雇われている時であれば、給料30万にかかる社会保険はこのような感じの負担割合でした。
『スタッフの給料から天引き』→スタッフ負担
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
『雇用主の負担』→あなた負担
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
しかし法人にすると、会社もあなたですしスタッフもあなたなので、自分で全て負担する感じになります。
『スタッフの給料から天引き』→あなた負担
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
『雇用主の負担』→あなた負担
健康保険料:14,715円
厚生年金:27,450円
つまり、法人になってから自分に30万の給料を払うとなると、
給料からの天引きが42,165円、会社負担の社会保険料も42,165円になり、思ったよりも多くのお金が出て行きます。
そのため、意味もなく法人にするのはやめた方がいいです。
法人化するメリットやタイミングはまた別の講義で話しますが、スタッフを雇う場合に会社は社会保険料を半分負担してるっていうのを知っておきましょう。
その他費用
サロン経営する場合、税理士費用などもかかる事があります。
自分で調べながらできる人であれば、月1,000~2,000円程度の会計ソフト代だけですが、税理士と契約すると月1~2万円程度かかります。
法人だと税理士費用は月3〜4万程度になりますし、年に1回決算の時に10~20万追加で程度かかります。
個人事業主であれば、税理士をつけないで確定申告だけスポットでお願いするというプランもあり、これであれば年に1回10万前後ですみます。
正社員を雇うと給与計算や社会保険の加入などが大変なので月2万前後で社労士を雇うことになったり、月数千円の人事労務ソフトを契約したりする可能性もあります。
法人にしたら複雑な作業になるので社労士や税理士をつけるようになる人が多いですが、個人事業主の期間であれば税理士は不要です。
スタッフを雇用しているなら社労士はいてもいいですが、業務委託だけであれば社労士は不要です。
そのため、私も個人事業主の時は税理士なしで自分で税務をやっていました。
これは会計ソフトをやるだけで簡単なので、自分でできた方が金銭的にもいいですし、お金の流れがわからないと経営でデメリットが多いので初めはなるべく自分でやることをおすすめします。
僕に依頼していただけたらさまざまなサポートをさせていただきます!