【アイリストの独立開業】あなたはどのポジションで戦う?他店との勝負はなるべく避けるべき理由。
前回の失敗しないためのサロン設計では
- どんな悩みや欲求がある人に対して
- どんなサービスや価値を提供するか?
- なぜあなたのサロンに行くべきなのか?
をしっかり決めるべき!という話をしました。
ここまでしっかり決めていけば、そこそこお客さんから求められるサロンになります。
しかしサロン数が多い関係で、ライバルもそこそこいるので、多くのサロンの中から1つのサロンに選ばれるハードルは高いです。
実際に多くのサロンは他のサロンと何が違うのかよくわからないサロンばかりなので、結局安売りになりやすいです。
しかし以下の3つの事をするだけでお客さんから選ばれやすくなります。
- 戦うポジションをずらす
- 売るサービスを変える
- 競合の強みと勝負をしない
ライバルが多い中で戦うのは大変ですが、上記3つの事を意識するだけでも新規の入りが変わる可能性はあるので解説します。
戦うポジションをずらす
そもそもポジションに関しては、以下などの種類があります。
- 営業時間
- 料金
- 施術時間
- メニューの数
- 技術力
- 接客
- 集客方法
- 対象としている悩みや欲求
- 流行りへの対応 など
これを他のサロンと比較した時に、どのポジションならあなたのサロンが集客で勝てそうか?を考えていきます。
例を出すとこんな感じです。
サロンAを簡単に言うと、
値段が高くてもレベルの高いサービスや技術を時間をかけて受けたい人に向けたサロンです。
サロンBを簡単に言うと、
お金をかけないでマツエクをつけたい人に向けたサロンです。
この辺まではよくある感じです。
多くのサロンはAかBのパターンで勝負をしているので、同じようなポジションのサロンがライバルになります。
しかし、自分が繁華街に近い場所に住んでいて、夜起きているのが得意な人の場合、サロンCみたいなポジションを取ることもできます。
もちろんお客さんの需要がなければ成り立ちませんが、繁華街であれば朝までやっているお店も多いので、意外と需要はある可能性はあります。
実際に東京では朝の6:00から24時まで営業しているサロンがあり、会社員やモデルさん、芸能人などで朝や夜の時間にサロンに行きたい人の需要に応えるようにしているサロンもあります。
サロンCはあくまでポジションを変えて勝負する1つの例ですが、そもそもサロンCみたいなポジションを取ることでライバルが減る場合、技術のレベルが高くなくてもお客さんが集まります。
値段も安売りしなくても問題ないと思いますし、むしろ単価を高くしても需要と供給のバランスの問題で需要が多ければ問題ないです。
逆にライバルが多いポジションで戦うと、その中でお客さんに選んでもらって通ってもらうハードルが上がるので、できればライバルが多いポジションは避けたいです。
営業時間のポジションを変えてもいいし、
流行にかなり敏感で最先端のメニューや提案を受けられるサロンだったり、韓国系に強いスタッフがやってるサロンってポジションを取ってもいいですし、
そもそも対象にする悩みや欲求をを他と被りにくい部分に変えてもいいです。
僕のサロンは集客方法でポジションをずらしているので、ポジションが90%以上のサロンと被らないです。
なので、以下のライバルが多い条件でもお客さんから選ばれやすいサロンになっています。
- 9:00~18:00のみの営業時間
- 平均的な技術
- 日曜、祝日が定休日
もちろんこれ以外にもポジションをずらせる要素はあると思いますし、あなたのタイプや得意不得意によってもどこをずらせそうか?なども変わります。
- 営業時間
- 料金
- 施術時間
- メニューの数
- 技術力
- 接客
- 集客方法
- 対象としている悩みや欲求
- 流行りへの対応
そして、このポジションをずらすのは簡単にマネできない内容であればあるほど、あなたのサロンが選ばれやすくなります。
当たり前ですが、簡単に真似できる内容であればすぐに真似されてしまうので。
早起きが強い人とか、夜に強い人であれば、営業時間をずらせるかもしれませんし、
外国人の対応ができたりデザインができる人は、日本人以外の人を相手にするポジションにできるかもしれませんし、
韓国とか流行に敏感な人であれば、そこでポジションをずらせたりするかもしれません。
どこでポジションを変えるかによりますが、なるべく簡単に真似できな部分で変えれたら強いです。
それを見つけるのは簡単ではないですが、あなたならどこのポジションで勝負できそうか?を考えましょう。
ここに関しては、ポジションをずらしすぎたりしても需要が少なくてお客さんがそんなに来ない可能性もあるので、需要がどれくらいありそうか?とかも含めてポジションを考えます。
逆さまつげに悩む人向けのまつ毛パーマとかも、他社とは違う悩みを解決するポジションですが、対象者が狭すぎてそれ1つでは難しい可能性があるので注意が必要です。
集客もホットペッパーだけで勝負をするとライバルが多いので、
インスタや広告、それ以外の別の方法とかでできると、他社と被らなくて集客で勝ちやすくなります。
このように同じサービスを提供するサロンだったとしても、ポジションをずらすことで集客で勝てる可能性が高くなります。(提供するサービスを変えるのもありです)
売るサービスを変える
次は売るサービスを変える話です。
わかりやすいように、
- ピザ屋さんの例
- カフェの例
の2つで売るサービスを変える事について解説します。
1.ピザ屋さんの例
ドミノピザの話は知っている人も多いかもしれません。
ドミノピザができる前のピザ業界は、多くのピザ屋さんが美味しいピザを届けよう!としていました。
これは普通って思うかもしれませんが、美味しいピザを作ってから届けるとなると、お客さんの家に届くまでに長い時間がかかってしまいます。
そこでドミノピザは、味は普通だけどすぐに届けられるピザ屋さんを作ってヒットしました。
多くの人はピザは美味しくあるべき!って思っていましたし、味は普通でもいいから早く食べたい人がそこまでたくさんいるとも思っていなかったと思います。
しかし、ピザを食べたいというニーズの中には、色々なタイプがあります。
- 美味しいピザを食べたい人
- 味は普通でも早く食べたい人
- 〇〇なピザが食べたい人
常識に縛られて美味しいピザを求めてるお客さんが多い!と思い込んでしまい、美味しいピザを作る勝負の世界に入ってしまうと、なかなか勝てません。
マツエクも同じで、
- 技術が高い方がいい
- 高い技術を求めてる人が多い
などと思いやすいですが、実際は違います。
ドミノピザは美味しいピザを作るのを競っている世界ではなく、「味は普通でも早く食べたい人を満足させる」というライバルが少ない世界で戦った結果、多くのお客さんを獲得することができています。
他にはあくまで例ですが、ダイエットピザみたいに痩せたいけどカロリーが高いものを食べたいって人に向けてサービスをする!みたいな発想も勝負を避けて戦う事ができて勝ちやすくなります。
美味しいピザを作ることしか考えていなかったピザ業界では、
- 早く届くピザ
- 〇〇なピザ
などで戦う事で勝ちやすい環境でした。
このように、ライバルが多い業界は激しい勝負になっているので、そこは避けるって方法ができると集客もうまくいきやすくなります。
2.カフェの例
次はカフェの例です。
カフェをやっているAさんは、カフェでコーヒーを300円で売っていました。
しかし、Aさんのカフェの周りにはチェーン店のカフェがあり、Aさんのカフェよりも安くて美味しいコーヒーを200円で売っています。
初めはAさんも安くて美味しいコーヒーを売ろうと頑張りましたが、大手のコーヒーチェーンには勝てません。
値段に関しても安く大量に仕入れる事ができる大手には勝てません。
そこで、Aさんは思いました。
『カフェでコーヒーを売っていても絶対にチェーン店に勝てない』
『違う方向で勝負をしよう!』
そこでAさんが考えたのは、以下のような内容です。
全席に
- コンセント2つ
- 広いテーブル
- 速い無料wi-fi
を完備。
椅子は座り心地がいい椅子に変更しました。
そして、大手チェーン店は長時間の滞在を禁止している中、Aさんのカフェは何時間でもいてOKにしました。
そして、コーヒーも500円に値上げをしました。
すると、Aさんのカフェのコーヒーは、大手のカフェの200円のコーヒーよりも高い500円ですが、お客さんはたくさんきます!
でも、大手のコーヒーの方が安くて美味しいのに、なぜAさんのコーヒーを飲みに来る人が多いのでしょうか?
不思議ですよね?
実は、Aさんが売っていたのはコーヒーではなく、場所なんです。
具体的には、以下の場所です。
- 広くてゆったり座れる場所
- 電源やwi-fiが整っている場所
- 長く滞在しても追い出されない場所
つまり、Aさんのカフェに来る人は、Aさんのコーヒーを飲みに来ているのではなくて、場所を買いに来ているんです。
となると、同じカフェでも
- Aさんのカフェは場所を売っている
- 大手のカフェはコーヒーを売っている
このように同じカフェでも売っている物が違うので、ライバルにはなりません。
大手:コーヒーを200円で売る
Aさん:仕事や勉強をする場所を500円で売る
だから、Aさんのコーヒーの方が値段が高くて味は普通でもたくさん売れます。
このように売るものを変える事で、人気がなかったカフェが人気になります。
今では色々な目的で使われるカフェが多いですが、昔は純粋にコーヒーを楽しむためのカフェが多かったと思われます。
その中で、
- スタバみたいにサードプレイスを売りにするカフェができたり
- リモートワークができるカフェができたり
- インスタ映えを狙ったカフェができたり
してきています。
これも全て同じカフェですが、売っている物が普通のカフェとは違うので集客の戦いになりません。
このようにライバルが少ないけど、実はニーズがある領域を探してそこを狙っているんです。
アイラッシュでも似たような発想はできて、同じマツエクを提供するサロンだったとしても、アイラッシュをつけるという価値以外に
- なんでも相談できて悩みを解決してくれる
- 自分に自信を持たせてくれる
- 常に自分のためになる提案をしてくれる
- 流行などを教えてくれたりアドバイスしてくれる
など別の部分に価値を持たせる事ができると、より競合のサロンと比較にならないので勝ちやすくなったり、リピートされやすくなります。
競合の強みと勝負をしない
- 売るサービスを変える
と似たような話ですが、結局は競合の強みと勝負をしてはいけません。
技術力をアピールしているサロンが多い中で、それを上回る技術を身につけるのは大変ですし、
安さ勝負しているサロンが多い中で、値下げ勝負をしても大変です。
わかりやすくいうと、この赤い場所で戦ってはいけません。
- 緑がマツエクサロンに来る人のニーズ
- 青が競合の強み
- 黄色があなたの強み
です。
色々あるニーズを満たすために競合が提供しているサービスと同じ土俵で戦うと、赤い部分で戦うことになります。
この赤い場所は他社の競合と重なりあってしまうため、お金を持っていたり大きな会社が勝ちます。
なので、力のない個人がこの赤い場所で戦っても勝てません。
では、どうすればいいのか?
わかりやすく言いますと、競合と同じ物やサービスを売るな!です。
イメージすると、この赤い場所でお客様のニーズを満たす感じです。
ドミノピザで例えると、
ピザが食べたいと言うニーズの中で、
美味しいピザを提供しているライバルが多い領域でど真ん中で勝負するのではなく、
ど真ん中のニーズからはずらした、味は普通でも早く食べたいというニーズの部分で勝負をするってイメージです。
そうすることで、競合との勝負にならないので、集客や価格競争で負ける可能性が低くなります。
そのためには
- お客さんのニーズを把握する事
が大事です。
お客さんのニーズに関しては、こちらで解説をしているので、忘れていたら読んでください。
- お客さんのニーズに対して、
- 競合がどんなサービスを提供していて、
- どこなら競合が少ないか?
を考えて提供するサービスや戦う場所を決めていきます。
先ほどの画像はわかりやすく伝えるためにシンプルにしてましたが、実際はこんな感じです。
たくさんあるニーズの中で
強い競合がたくさんいます。
その中で弱くて小さいあなたはどこで戦うのか?
赤い場所は避けて青い場所で戦うイメージです。
アイラッシュの場合はどうやって勝負を避けるか?
ここまでは、勝負を避けて戦う事で集客や価格競争で勝ちやすくする理由を話しました。
次はアイラッシュの場合はどうするか考える必要があります。
マツエクの場合
まずマツエクをしたい人のニーズを把握します。
- どんなニーズがあるのか?
次はマツエク業界を客観的に分析します。
- どんな人を対象にしているサロンが多いのか?
- どんな悩みを対象にしているサロンが多いのか?
これは業界自体で偏りがあるケースもありますし、エリアによって特徴や偏りがある可能性もあるので、出店エリアの全店舗の分析はするようにしましょう。
競合と被る場合はこのど真ん中での勝負になるので、何か勝てる理由がない限りはそこで勝負したくないです。
なので、他社と被らないけどニーズがある部分はないか?を日々考えて、競合と真っ向勝負にならない領域で戦えるようにしていきます。
これはそのエリアだったりあなたの強みなどによって変わるので一概には言えないので、自分を分析しつつ考える必要があります。
すぐに思いつくのはこの辺りですが、これ以外にもお客さんのニーズを満たせる内容はあると思うので、他にもあるとは思います。
- 営業時間
- 料金
- 施術時間
- メニューの数
- 技術力
- 接客
- 集客方法
- 対象としている悩みや欲求
- 流行りへの対応
それができないと、ど真ん中で勝負することになるので、
- 何か特定の悩みを解決するのに特化したり
- 何かのメニューに特化したり
- 他が真似できにくい接客やサービスを提供したり
する方向性の方が、うまくいきやすいと思います。
パッと例を出すと、個人サロンは
- 利益を追求せずに時間をかけて丁寧に接客できる
- メニュー変更や流行への対応などの小回りが効きやすい
などで、大きなサロンと勝負を避けることもできるのかもしれません。
個人サロンでもこのように大きなサロンではできない事ができたりもするので、大きなサロンとまともに戦うのではなく、大きなサロンができないけどお客さんのニーズがあることはないか?と日々考えましょう。
ネイルサロンの例ですが、トラックの後ろをサロンに改造して、お客さんの家まで行くってサロンもありました。
これはネイルがしたいってニーズの中でも、何かしらの理由でサロンにいけないけどネイルがしたい
って人を対象にすることで、一気にライバルが減らす事ができていますし、大きなサロンはやらないと思います。
このように、マツエクをしたい人のニーズを細分化して考えて、大手が勝負していない部分で勝負をするって方向でサロンを設計していきましょう。
まとめ
この3つの事をするだけでお客さんから選ばれやすくなりますので、あなたはどうするのか?を考えてください!
- 戦うポジションをずらす
- 売るサービスを変える
- 競合の強みと勝負をしない