アイリストが独立前から今のサロンで準備すべき事(集客・リピート率)
あなたは独立する前に今のサロンで以下の要素を分析する必要があります。
- 集客に関すること
- リピート率に関すること
なぜ?独立する前に今のサロンでこのような事を分析したり考えたりする必要があるのでしょうか?
これらを分析したり考える事を長い期間やっておかないと、
- 独立してから失敗しやすくなる
- 失敗した後もどうすればいいかわからなくて困る
からです。
イメージしやすいように集客を例に話しますと、
集客に関して深く考える過程を踏まないで独立してしまい、うまくいかなかった場合はこのような流れになります。
- なんでうまくいかないかわからない
↓ - 勉強する。他のサロンを分析する
↓
- 実際に試してみる
↓
- 結果が出なければ2に戻る
↓
- 結果が出るまで繰り返す
一方で、独立する前から
- 集客がうまくっているサロンの特徴
- 集客がうまくいっているサロンのメニュー
- 集客がうまくいってるサロンの単価
- 集客がうまくいっているサロンのホットペッパーやSNS
などを分析したり考える事を繰り返していると、
- 独立してからうまくいく可能性が高くなる
- 独立してうまくいかなくても軌道修正が早くできる
- その結果、失敗しにくくなる
などのメリットがあります。
そのような理由であなたは独立する前に先ほどの要素を分析する必要がありますが、まずは今働いているサロンで分析する方が考えやすいですし、実際に試したり試行錯誤もしやすいです。
わからなくてもオーナーに聞いたりできる可能性もあります。
独立してからは赤字になって潰れるまでの時間との勝負なので、ゆっくり考えたり試行錯誤している時間はありません。
なので、独立前の半年〜1年以上かけて、今のサロンを通して
- 集客に関すること
- リピート率に関すること
に関して
- 分析したり
- 考えるクセをつけたり
- 試行錯誤したり
- オーナーに聞いてみたり
するようにしましょう!
1.今のサロンの集客について
まず今のサロンの集客について分析しながら考えていきます。
今のサロンの集客でやっていることをまず全てリストアップしてみましょう。
- ホットペッパー
- ネット広告
- SNS
- Googleマイビジネス(MEO)
- SEO
- チラシ
- 紹介 など
サロンによっては集客方法や力を入れる場所が違うと思いますが、まずは今のサロンはどうか?を把握します。
なぜ今の集客方法を選んでいるのか?を考える
次はなぜ?今のサロンはこの集客に力やお金をかけているのか?を考えましょう!
ホットペッパーメインのサロンであれば、以下のように色々な理由が考えられます。
- SNSのノウハウを知らなかったり
- SNSに時間やお金を割く余裕がなかったり
- ホットペッパーがうまくいっているから他のことをやらないだけだったり
- 過去に色々やった結果、ホットペッパーメインでやっていたり
これはチラシなどでも同様で、過去にホットペッパーを頑張ったけどチラシの方が集客がうまくいったから、チラシメインで集客している可能性もありますので、なぜ?この主客方法を選択しているのか?を考えます。
これを考えると、その地域でうまくいっている集客方法などがわかってくるかもしれませんし、
集客=ホットペッパーという固定概念が変わる可能性もあります。
どのくらい毎月新規がきているのか?を考える
先ほどは今のサロンの集客方法について考えることをしましたが、次は実際の新規数について考えていきます。
まずは今月は何人か?を毎月チェックする事から初めていきます。
また、ホットペッパーの場合はプランも把握しておきましょう。
今のエリアでこのプランで月何人くるのか?を把握しておきます。
ホットペッパーの業者と話す機会があれば、他店の平均や別プランの平均なども聞けたら聞いておきましょう。
プランやエリアの感覚がわかってくると思いますし、あなたがサロンを出す時の参考にもなります。
次は、実際に今のサロンで新規が30人来ているサロンを例にして考えていきます。
新規30人が多いか?少ないか?どうなのか?
これは色々な要素を考慮して判断していきます。
- ホットペッパーのプラン
- 客単価
- スタッフの人数や予約の埋まり具合
まずはプランの平均と比較して多いのか?を考えます。
今のプランの平均より多ければ多いかもしれない!となりますし、平均より少なければ少ないかもしれない!となりますが、まだプランだけでは判断ができません。
なぜなら客単価によっても新規数は変わりやすいからです。
同じメニューでも客単価10,000円のサロンと3,500円のサロンがあった場合、新規数は圧倒的に変わる可能性があります。
客単価が安い方が新規は来やすくなりますし、客単価が高い方が新規は少なくなる傾向があります。
なので、
- 新規30人だけど客単価が3,500円のサロンA
- 新規15人だけど客単価が10,000円のサロンB
ではBの方が新規集客はうまくいっていると判断できます。
このように客単価を踏まえて、今のサロンの新規集客はうまくいっているか?を考えます。
追加でメニューごとの新規数も把握しておけるといいです。
サロンによってはメニューによって新規数の偏りがある時があるので、なぜこのメニューは新規多いのか?少ないのか?も深ぼって考える事で色々な事がわかってくると思います。
ここまではプランと客単価について話しましたが、スタッフの人数や予約の埋まり具合も新規数に関係するので、把握しておく必要があります。
例を出しますと、
- 新規数30人のサロンAは今月の予約が50%埋まっています
- 新規数15人のサロンBは今月の予約が90%埋まっています
当たり前ですが、予約が埋まっていると予約は取りにくくなるので、新規数は減ります。
なので新規数が多いAのサロンがうまくいっているとも限らないです。
これは僕の経験ですが、お客さんが予約を入れる日はお店の予約が埋まるにつれてどんどん先になっていきます。
実際に僕のサロンでも、予約した日と来店した日の日数は、
- オープン当初は平均で来店日の5日前に予約が入る
- 2〜3ヶ月目は平均で来店日の7日前に予約が入る
- 5ヶ月目は平均で来店日の14日前に予約が入る
このように予約が埋まるにつれて、新規もだんだん入りにくくなっていきました。
なので新規数だけで今のサロンがうまくいっているかいっていないか判断するのではなく、予約の飽き具合も踏まえて新規集客がうまくっているのか?考えるようにしましょう。
他にはスタッフが増えると予約の枠が増えるので、スタッフの人数も踏まえて考えます。
どのくらいお金をかけているのか?を考える
次はどのくらい集客にお金をかけているのか?を考えます。
- 広告費を月10万かけて新規30人のサロンA
- 広告費を月5万かけて新規30人のサロンB
これならサロンBの方が集客がうまくいっている可能性が高そうですよね。
これに関しては、1人の新規を呼ぶのに何円かかっているのか?を把握するとわかりやすいです。
月10万かけて新規が10人きた場合、1人の新規を呼ぶのに1万円かかっていることになります。
そして、客単価と比較した時にこれが高いか?がわかります。
新規1人呼ぶのに1万円かかっていても、
- 客単価が2万円であれば全然OKだと思いますし、
- 客単価が7,000円だとうまくいっていないと感じます。
うまくいっているか考える基準としては、
客単価–1人呼ぶ広告費–人件費–材料費=黒字
になっていれば最低限うまくいっていると考えます。
例を出すと、客単価7,000円(60分)のメニューで
1人呼ぶ広告費が3,000円で
スタッフの時給が2,000円で
材料費が500円の場合、
黒字で1,500円残りますので、うまくいってると判断します。
先ほどの式で赤字になってうまくいっていない場合は
- 客単価が安いのか?
- 1人呼ぶ広告費が多くかかってしまっているのか?
- スタッフの時給が高すぎるのか?
- 材料費が高いのか?
- どこをどうすればいいのか?
などを考えると、問題や解決策が明確になります。
もちろんサービスによってはリピート率が圧倒的に高いものもあるので、リピート率も考慮して考えますが、アイラッシュサロンの場合は先ほどの式で黒字になっているのが理想です。
まずは
- どれくらい広告費をかけているか?
- 1人呼ぶのに何円かかっているのか?
などを把握しておきましょう。
これらを知っていると、実際になぜ?その結果になっているのか?という部分を深ぼって考えていく作業に移れます。
一旦まとめ
今のサロンは集客がうまくいってるか?なぜか?を考える
ここまでは今のサロンの集客に関して考えることをやりました。
どうでしょう?今のサロンは
- 集客でどこがうまくいっていて、どこがうまくいっていないですか?
- それはなぜですか?
- どこを改善したら良くなりそうですか?
このような事を日々考えていくことで、新規集客に対する感覚は研ぎ澄まされていきます。
もしあなたが今のサロンで信頼を勝ち取れてホットペッパーをいじらせてもらえたら、以下のように色々試す事ができます。
- 写真を変えてみる
- 文章を変えてみる
- 売り出し方を変えてみる
- 〇〇を変えてみる
僕が言うのもなんですが、独立してから色々試して学んでいくよりも、雇用されて給料が保証されている時に試行錯誤して学ぶ方がオススメなので、雇用されて安定してるうちに信頼を勝ち取って集客に関する部分に関わらせてもらうといいです。
毎日のように、なんで?どうして?を考えることで、集客に関する感覚が鋭くなっていくので、あなたが独立する時もうまくいきやすくなります。
よくわからない場合
色々考えても、なんでうちのサロンは集客がうまくいっているのか?わからないこともあると思います。
そう言う場合は、新規で来たお客さんにうちのサロンを選んだ理由を聞いてみましょう!
多くの人に聞いていると、ある程度同じような理由になる事が多いです。
- 安いから
- 今日空いてたから
- 〇〇のメニューがやりたかったから
- サロンの〇〇に魅力を感じたから
- 〇〇さんがオススメしてたから
安いから!今日空いてたから!などの理由で新規のお客さんがきても、あまり参考になりませんが、
- サロンの〇〇に魅力を感じた
- 〇〇を見て行ってみたいと思った
などの理由は参考になります。
サロンの写真が良くて気になった!と言われたら、実際にサイトを開いて写真のどこが良かったのか考える事ができますし、
〇〇の文章を読んで気になった!と言われたら実際にその文章を読んでみてどこが良かったか考える事ができます。
これも独立前からやっておくと独立時に役に立つので、今のうちからやっておきましょう!
他にもいい集客方法はないか?を考える
毎日のように集客の事を考えていると、
今のサロンでこれをやればもっと新規が増えそう!
みたいな案も浮かんできます。
経営者としても今のサロンの事を考えてくれるスタッフは嬉しいので、もちろん内容にもよりますが
- 他にもいい集客方法がないか?
- もっと新規を増やす方法はないか?
を考えてオーナーに話してみたりするのもやっていいとは思います。
とにかく独立前からやっておく事をオススメします。
2.今のサロンのリピート率について
次は今のサロンのリピート率について分析をしていきましょう!
分析するのは以下の項目です。
- スタッフごとのリピート率
高い人と低い人の違いは? - メニュー別のリピート率
高いメニューと低いメニューの違いは?
1.スタッフごとのリピート率
まずはあなたも含めたスタッフ全員のリピート率を分析しましょう。
もしリピート率が数値でわからない場合は、指名数の多さや予約の埋まり具合からリピート率の高さを予想します。
そこである程度リピート率が高い人と低い人がわかってくると思います。
次は、なぜリピート率に違いがあるのか?を考えてください。
リピート率に関係する要素は色々あります。
- 技術レベル
- 接客中の声かけの内容
- 声のトーン
- 接客中の表情や身振り手振り
- スタッフの見た目
- どのような提案をしているか?
- 次回予約まで促してるか?
- お客さんとの関係性作りや距離感
- プロフィールの写真、内容
- SNSのフォロワー数
- ブログの更新数
リピート率に関する講義はまた別の講義でしっかりやっていくので、まずは自分で考える習慣をつけましょう。
色々なスタッフを分析したり考えていると、リピート率に関係する要素は多いけど、大事なポイントは数個に絞られてくると思います。
極端な事を言えば、スタッフの見た目が良くなくてもリピート率が高い人もいますし、お客さんとあんまり話さないのにリピート率が高い人もいます。
色々考える事が大事なので、まずはリピートに関係する要素について考える習慣をつけていきましょう!
2.メニュー別のリピート率
スタッフによってリピート率が違うだけでなく、メニューによってもリピート率は違う事があります。
さらにAさんはエクステのリピート率が高いけど、Bさんはまつ毛パーマのリピート率が高い
みたいなこともあります。
お店全体でリピート率が低いメニューがあれば、設計や売り出し方など土台の部分に問題がある可能性があります。
- メニューの選定
- 価格
- 技術
スタッフによってメニューのリピート率が違う場合は、技術はもちろんですが、売り出し方や説明方法など実際にお客さんと接している時の要素に違いがある可能性があります。
あなたがリピート率低いメニューを他のスタッフはリピートできている場合、自分と何が違うのか?どんな感じで接客しているのか?などを聞いて分析し、実際に試してみるのが大事です。
初めはパクリでもいいと思うので、うまく行っている人の方法を真似して実際にやってみてください。
これも独立して1人サロンになると学ぶができないので、他のスタッフがいるうちに他のスタッフのいい部分を分析して吸収しておきましょう。
独立後はリピート率が命
独立してからは新規集客で困ることもありますが、新規集客はお金がかかってもリピーターになっていけば問題はありません。
1番問題なのはリピーターや固定客が増えていかないサロンです。
毎月新規が60人くればリピート率が低くてもやっていけますが、新規が20人前後でリピート率が低い場合は赤字が続きますし黒字になっても利益が少ないので大変です。
シミュレーションで比較
新規が同じ20人でも次回予約率が50%なのか?30%なのか?で売上は変わります。
実際に以下のケースでオープンから1年でどれくらい変わるかを計算してみました。
- 新規数:20人
- 広告費:100,000
- 家賃:80,000
- 人件費:250,000
- 材料費:1回の施術で500円
- 光熱費:30,000
- 客単価:7,000円
結果、
新規の次回予約率が30%の場合、オープン1年後の時点で約140万円の赤字
新規の次回予約率が50%の場合、オープン1年後の時点で約30万円の黒字
その差170万円です。
つまり、新規の次回予約率が20%変わるだけで、オープン1年で170万円利益が変わります。
これくらいリピート率は売上に大きく影響するので、独立開業後は当たり前のようにリピート率を追います。
でもそれを独立後から考えるのでは遅いので、独立前から今の数値を把握して分析して改善していく癖をつけておきましょう。
そのためにまずは今働いているサロンの数値をサロンボードでしっかり確認して数値を追っていくようにしましょう!